300件、飛び込みました。訪問美容の営業で学んだこと

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「訪問美容、技術には自信があるのに、なかなか集客できない」

そう感じている方、いませんか。
私たちも、まさにそうでした。

これまでの記事で、何度か「営業活動の詳しい話はまた別の記事で」と予告してきました。
今日は、その約束を果たす回です。

技術を磨くことに時間を使うのは、美容師として当然のことだと思います。
でも、どれだけ技術があっても、知ってもらえなければ、お客様には出会えません。
私たちが痛感してきたのは、まさにこの部分でした。

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できることは、全部やった

創業してから数年間、私たちは本当に、思いつく限りの営業活動をしていました。

チラシはPowerPointで自分たちで作り、ASKULのプリントサービス「パプリ」を使って印刷。
飛び込み訪問、電話営業、ポスティング、DM。
やれることは、すべてやりました。

営業車には、大きく看板を貼りました。
車で移動しているその時間そのものも、「訪問美容」というサービスの存在を世の中に知ってもらうための時間だと考えていたからです。

夫婦2人で一緒に回ることもあれば、妻だけ、私だけで動くこともありました。
とにかく、暇さえあれば営業活動をしていた。
それが、あの頃の私たちの日常でした。

移動時間さえも無駄にしたくなかった、というのが正直なところです。
信号待ちの間、駐車場から施設の入口まで歩く数分の間、そんな時間さえも「誰かの目に留まるかもしれない」と思うと、無駄にできませんでした。
今思えば、少し必死すぎたかもしれません。

「何もわかっていない」まま突っ込んだ、苦い記憶

でも、正直に言うと、最初はとにかく無知でした。

老人ホームには、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、いくつも種類があります。
その違いを、私たちはよく理解しないまま営業に回っていました。

結果、訪問美容の対象にならない方ばかりの施設に、何度も足を運んでしまったこともあります。

地域の料金相場も、まったく把握できていませんでした。
料金を提示した瞬間、「話にならん」と言われて門前払いされたこともあります。

食事の準備で忙しい時間帯に飛び込んでしまい、「この忙しい時になんですか?必要ないから帰ってください」と言われたことも、一度や二度ではありません。

今思えば、施設にはそれぞれ、朝の申し送り、食事、入浴、レクリエーションといった1日のリズムがあります。
そのリズムをまったく知らないまま飛び込んでいたのですから、迷惑がられるのも当然でした。

今振り返って一番恥ずかしいのは、技術でも接客でもなく、「何も分かっていないまま、手あたり次第に営業していたこと」だったと思います。

でも、この苦い経験があったからこそ、後になって「相手のことを知ってから動く」という当たり前のことの大切さに気づけたのだとも思います。

種まきが実を結んだ、2018年

それでも、私たちは動き続けました。

数えてみると、300件以上の施設を回っていたと思います。

少しずつ、ホームページの認知度も上がっていきました。
「地域名+訪問美容」で検索すると、私たちの名前が出てくるようになっていたのです。

2018年11月、初めての有料老人ホームからの依頼は、まさにこのホームページ経由の問い合わせでした。

その後、2018年12月には、病院2件・高齢者施設2件を立て続けに獲得します。
理由は、それぞれこんなものでした。

  • これまで来ていた美容師が来なくなったので、お願いしたい
  • 今来ている美容師の評判がよくないので、来てほしい
  • ちゃんとした訪問美容を探している

営業のやり方自体は、それまでと変えていません。
ただ、ちょうど妻がサロン勤務を辞め、訪問美容に本腰を入れたタイミングと重なったのだと思います。
種をまき続けていた時間が、やっと実を結び始めた瞬間でした。

振り返ってみると、300件という数字は、決して効率のいいやり方ではなかったと思います。
それでも、諦めずに回り続けたことそのものが、地域の中で少しずつ「訪問美容といえば、あの夫婦」という認識を作っていったのかもしれません。

今、営業活動はしていない

今の私たちは、営業活動を一切していません。
使っているのは、ホームページだけです。

「訪問美容に日本一真剣に取り組んでいる」と言えるくらい向き合ってきたつもりです。
そのおかげか、「評判がいいので、グループの病院にも紹介したい」という声をいただくことが増えました。

実績が積み重なるにつれて、技術も磨かれていきました。
いつしか、「早い、丁寧、キレイ」と言っていただけるようになっていたのです。

在宅のお客様についても、ケアマネジャーさんを通じた紹介が増え、今では営業に時間を割く必要がなくなりました。

あれだけ必死に動き回っていた頃の私たちからすると、今の状況は正直、想像もできなかったことです。
営業にかけていた時間を、今はご利用者様の快適さのための道具づくりや工夫に使えるようになりました。
そう思うと、あの300件の積み重ねは、無駄ではなかったのだと感じます。

それでも残る、新しい課題

ただ、今の私たちには、また別の課題があります。

一度埋まった予約枠が、ご利用者様の体調不良や急な入院、あるいはうっかりした失念などで、キャンセルになってしまうことが相次いでいるのです。

病院の予約キャンセルが世間で話題になることがありますが、私たち訪問美容の現場でも、同じような問題が起きています。

営業しなくても仕事が埋まるようになった今、次に向き合うべきなのは、この「キャンセル」という課題なのかもしれません。

営業をしていた頃は「どうやって仕事を増やすか」が課題でした。
今は「増えた仕事を、どう安定して回していくか」が課題になっている。
考えることの中身は変わっても、悩みが尽きないのは、事業を続けている限り同じなのだと思います。

このあたりについても、また改めて記事にしていこうと思います。

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